出会い系って儲かるの?―― 出会い系 = 儲かる、というイメージがあるのか、そんな質問をされることが良くあります。
「やり方次第じゃないですか?」
そんな曖昧な回答することが多い僕ですが、今回は出会い系を運営した実体験を元に、この場を借りて僕の考えをお話したいと思います。
ただ出会い系と言っても広意義で捉えると、マッチングアプリや婚活アプリも含んでしまいます。そこで今回は、サクラを使った出会い系アプリの儲けに限定してお話したいと思います。
サクラを使った出会い系アプリの儲け
結論から言うと、「儲からないわけではないが、伴うリスクが大きすぎる」というのが、サクラを使った出会い系アプリに対する僕の考え。
大前提ですが、サクラを使った出会い系アプリの運営は犯罪です。「グレーゾーンだよ」と言う(特に悪質な業者界隈の)人もいますが、近年は逮捕者も多いので言い逃れはできないでしょう。
スマホが普及する前、ガラケー時代のサクラを使った出会い系は確かにもの凄く儲かっていました(小規模の組織にも関わらず、月間の売上目標に億を掲げていたとかザラでした)
しかし、警察の取り締まりも厳しくなり、世間の出会い系に対する警戒心も高まった結果、昔ほど稼げなくなったというのが現状です。
とはいえ、リスクを恐れない悪質な業者が今も多く存在しているわけで、手口が巧妙かつ大胆になってきているのが現状の問題と言えるでしょう。
儲かっているのは一部の業者だけ
犯罪に手を染めるリスクに対し、一体どれだけの利益があれば釣り合うのか?というと、それは人それぞれの価値観によるでしょう。
もっぱら「儲かるなら犯罪でもなんでもやる」と意気込む人をたまに見かけますが、それがコンビニで働くバイト収入以下だったらどうでしょう?もちろん考え直しますよね。
ハッキリ言って、サクラをするからと言って簡単に儲かるほど、出会い系の運営は甘くはありません。
それこそ一から出会い系アプリを立ち上げるとなると相当な時間とコストがかかります。リスクも含め、一般的なサラリーマンの何倍もの収入を見込めないとやる意味はない、と僕は考えています。
ただ、儲けまくっている出会い系業者がいるのも事実です。しかし、それは運営暦が長かったり、独自のノウハウを持っているなど、限られた一部の業者だけです。
出会い系アプリの運用に必要なお金
また、出会い系アプリの運営にはかなりのお金が必要となります。毎月かかる経費をざっと書き出してみました。
- ストア手数料
- 人件費
- 家賃
- 広告費
- サーバー代、保守管理費など
ストア手数料とは、App StoreやGoogle Playに支払う手数料のことです。実に売上げの20%(2018年1月時点)を持っていかれるのでかなりの割合を占めます。
人件費はサクラ(アルバイト)の給料、家賃はサクラの作業場としてオフィスやアパートの一室を間借りするのにかかります。
また、初期は検索からの自然流入はわずかなので、毎月広告を出稿してユーザー(客)を獲得する必要があります。ちなみに出会い系アプリは、ゲームなどの一般的ジャンルと比べ広告費は高めです。
さらに、サーバー代や、アプリ制作を外部委託している場合には保守管理費などがかかる場合があり、これら全てを合算すると、月の売上げ500万円程度の出会い系アプリだと9割近くが経費といった計算になります。
人件費や広告費にお金を使いアプリの規模を大きくすると、それに比例して利益も増えるわけですが、その分だけ人目に付くとリスクも高まります。App StoreやGoogle Playから急にアプリを削除されてしまった、という話も業界内では珍しくありません。
数百万円かけて作ったアプリが全て水の泡となってしまうこともありえるのです。
まとめ
サクラを使った出会い系アプリに対し「儲かりそうだから」と軽い気持ちで興味を持っている人がいたら、ハッキリ言っておすすめはしません。理由は上記で説明した通りです。
毎年かなりの数の出会い系アプリが誕生し、そして姿を消していきます。儲かっているように見える業界ですが、ギリギリ食べていけてる業者が多いのが実際の所。
「逮捕のリスクを考えると、もっと別の仕事を選んだほうが良かった」と思う、と話す業者にも会ったこともあります。
かつてはローリスク、ハイリターンだった出会い系の運営。今はハイリスク、ローリターンと言って間違いないでしょう。
それでもあなたは出会い系アプリを運営してみたいと思いますか?