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出会い系アプリは儲かる?費用は?利益は?運営前に覚えておくべき数字の話

投稿日:2018年7月18日 更新日:

UG
以前に公開した『プログラミングできない僕が出会い系アプリを作成した方法と公開までにかかった時間』という記事が好評でしたので、今回はその続編です。

出会い系アプリの運営にはどのくらいの費用がかかるんだろう・・・利益はどの程度のものなのだろう・・・

そもそも出会い系アプリって本当に儲かるの?

様々な不安から、出会い系アプリのオーナーへの一歩を踏み出せない方は多いのではないでしょうか?

どんなに素晴らしいアイデアを思いついても、利益が出なければビジネスは継続できません。その為にもコストや売上の予測を立て、事前の試算が大事なのは言うまでもないでしょう。

出会い系アプリの運営は上手くやれば大儲けすることも可能(だと僕は思っています)です。しかし、試算を誤ると大変な損害を被ってしまうリスクがあります。

そこで今回は、元出会い系業者である僕が、実際のデータを基に出会い系アプリの運営に関する数字のお話をしたいと思います。

出会い系アプリの運営にかかる費用とは

一般的なビジネスと同じで、出会い系アプリの運営にかかる費用は、

  1. 運営を開始する迄にかかる費用
  2. 運営を開始した後にかかる費用

大きく分けて上記の二つに分類することができます。詳しく見ていきましょう。

運営を開始する迄にかかる費用

  • 出会い系アプリの制作費
  • デヴェロッパーアカウント取得費
  • ドメイン費
  • テスト端末(スマホ)代金

など

出会い系アプリの運営を開始する迄にかかる主な費用は上記の通りです。

ちなみに、出会い系アプリは運営開始前に、警察へインターネット異性紹介事業の届出をする必要がありますが費用はかかりません。

出会い系アプリの制作費

出会い系アプリを開始する前、最も大きい出費となるのがアプリの制作費です。

僕の場合『プログラミングできない僕が出会い系アプリを作成した方法と公開までにかかった時間』でも書いたとおり、クラウドソーシングを利用してプログラマーやデザイナーを探しました。

自分の理想を追求することはとても大事ですが、制作費に費用をかけすぎてしまうと自らの首を締め付けてしまうことにもなりかねないので注意が必要です。

制作を依頼する場合の費用は、内容や依頼先にもよりますが、安く見積もっても150万円~といったところでしょうか。制作費については妥協せずにじっくりと相手と交渉しましょう。

デヴェロッパーアカウント取得費

App Storeでアプリを公開したい場合はApple Developer Programで、Google Playでアプリを公開したい場合はGoogle Play Developer Consoleで、それぞれアカウントを取得する必要があります。

アカウント取得にかかる費用は、Apple Developer Programが年間料金$99Google Play Developer Consoleが登録料$25となっています(2018年7月現在)

ドメイン費

Webサイトを用意する場合はドメインを取得する必要があります。

アプリのみでのサービスを考えている場合、基本的にはWebサイトは必要ありませんが、アプリ紹介の為のWebサイトがあったほうがユーザーからの信頼度は高くなります。

ドメインの登録料は、ドメインの種類によって異なりますが、年間で数百円~数千円程度です。

テスト端末(スマホ)代金

開発中のアプリはリリース前に実機でテストプレイしてみる必要があります。

したがって、App StoreとGoogle Playの両ストアでアプリ公開を考えている場合、iPhoneとAndroidのそれぞれのスマホを用意する必要があります。

ちなみに僕は白ロムと呼ばれる中古のスマホを用意しました。古すぎるモデルはテスト端末には適していませんが、無理して最新のものを用意しなくても問題ありません。

運営を開始した後にかかる費用

  • ストア手数料
  • サーバー費
  • 広告費
  • 人件費
  • 保守管理費

など

出会い系アプリの運営を開始した後(運営中)にかかる主な費用は上記の通りです。

ちなみに、サーバー費はアプリ開発段階からかかるケースがほとんどですが、この記事ではアプリ運営を開始した後の費用として紹介しているのであしからず。

ストア手数料

ストア手数料は、ストア上でアプリを公開させてもらう代わりに、デヴェロッパー側に対して発生する支払いのことです。

簡単に言うと、出店料みたいなものです。

App Storeならアップル、Google Playならグーグル、それぞれに売上の30%を手数料として支払う必要があります(2018年7月現在)

サーバー費

サーバー費は制作するアプリの内容や規模によって大きく異なります。

僕はサーバーに知識が乏しかったので、プログラマーにアプリの構想を伝えつつ、言われるがままにクラウドサーバーを利用しました(笑)ちなみに、月額15,000円程度の費用でスタートしました。

運営が軌道に乗ると、売上に比例してユーザー数も増加するので、アクセス負荷の状況に併せてサーバー費用も増えていくことになります。

広告費

出会い系アプリ運営における成功への鍵の一つとも言えるのが広告です。

ネットの広告と言えば、リスティング広告、アドネットワーク、アフィリエイト広告、SNS広告などがありますが、出会い系アプリは審査が厳しく、一般のアプリと比べ広告が出しづらい傾向にあります。

また、広告を出せたとしても、無課金ユーザーばかりを誘導してくる広告先では赤字です。したがって、広告に関しては十分に吟味する必要があるのですが、基本的には、

ユーザー1人あたりの平均課金額 > ユーザー1人あたりの獲得費用

となればその広告先は合格ということになります。

広告先は常にユーザーの動向を確認しながら、慎重に判断しなければなりませんが、僕の場合、初期は月100,000円程度の広告予算を組み、効果に併せて広告費を増減させていました。

広告費が多いと大変ですが、少なすぎても効果を判断しづらいので、自身のプランと予算に併せて調整しましょう。

人件費&家賃

制作するアプリのプランや予算によりますが、初期は1人もしくは2人での運営体制で問題ないと思います。

少人数で運営できるのもこのビジネスの魅力の一つですし、人を増やすとその分の人件費や家賃がかかるわけなので。もしスポットで人材が必要であれば、クラウドソーシングで探すこともできます。

もちろん売上を伸ばしたり、事業をスケールさせたいと考えているのであれば、人を増やすことはとても重要なことです。

僕の場合、最初の数ヶ月は1人で運営を開始し、売上にあわせて少しづつ人を増やしていきました。

保守管理費

アプリは完成して公開したから全てOKというわけではありません。運営中の不具合やトラブルはつきものです。場合によっては新しい機能を追加した最新バージョンへのアップデートも必要となります。

僕の場合、アプリを制作してもらったプログラマーに毎月一定の保守管理費を支払い、様々な対応をしてもらっていました。

出会い系アプリの売上について考えてみよう

出会い系アプリの売上は料金体系によって異なります。ここで言う料金体系とは、ユーザーがサービスの利用料をどのように支払うかを定めたもので、

  1. 完全無料
  2. 定額制
  3. ポイント制

主に上記の3つに分類することができます。詳しく見ていきましょう。

完全無料の場合

全てのサービスを無料で利用出来るのが、完全無料の出会い系アプリです。

このモデルで売上の柱となるのが広告収益です。アプリ内に掲載した広告をユーザーがタップしたり、商品を購入することによって、収益が発生する仕組みです。

アプリ内広告の掲載イメージ図

ここで自身の体験を思いだして欲しいのですが、アプリ内の広告を積極的にタップする人はあまりいません。したがって、ビジネスを成り立たせるにはより多くのユーザーを集める必要があります。

もちろん完全無料なのでユーザーが集まりやすいのですが、一方でサーバー代の負担が大きくなりやすいという側面もあるのがこのモデルです。

僕の経験からして、1インストールに対し平均して2円〜数十円の売上といったところ。売上を伸ばそうと広告を増やし過ぎると、リジェクト(アプリ削除)の対象となるので注意も必要です。

定額制の場合

Pairs(ペアーズ)』や『タップル誕生』など、今流行している多くのマッチングアプリが採用しているのが定額制。月額3,000円程度の料金を支払えば、基本サービスは使い放題となる料金体系です。

気になる売上に関してですが「市場調査メディア ホノテ(株式会社マクロミル)」によると、

まず課金した経験を尋ねると、男性は75%、女性は18%が「アプリ内課金をしたことがある」と回答しました。

中略

今までに合計でいくら課金したか尋ねた結果、平均累計額は、男性が「11,557円」、女性が「9,600円」でした。

引用:恋活・婚活マッチングアプリの利用経験者1,000人調査。利用の目的は?いくら課金した?“真剣な出会い”のマッチング成立状況とは…!?

という調査結果が出たそうです。

とても魅力的な数字に見えますが、上記はあくまでも大手マッチングアプリの話。リリースして間もない新規アプリが同等の結果になるということはまず在り得ないでしょう。

しかしながら、やり方次第では将来大きな収益を生む可能性を秘めていると言えるのがこのモデル。開発やブランディングに対する先行投資がポイントとなるでしょう。

ポイント制の場合

ワクワクメール』や『PCMAX』など、老舗の出会い系アプリが採用しているのがポイント制です。

定額制とは異なり、ポイント制はサービスを使いたい分だけのポイントを事前に購入する仕組みなのでユーザーは無駄な出費を無くすことができます。

一方で、魅力的なサービスを提供することによってユーザーの課金額も増える為、運営側にもメリットがあると言えます。

ちなみに、僕が運営していた出会い系アプリの料金体系もこのポイント制でした。実際の売上ですが、ARPU(※)は約1200円でした。

※「エー・アール・ユー・ピー」や「アープ」と読みます。意味はユーザー1人あたりの平均課金額。つまり上記の場合、ユーザー数×1200円=売上ということになります。

出会い系アプリの利益ってどのくらい?

では、ここまでのことを踏また上で、出会い系アプリの利益は一体どれくらいになるのでしょうか?

僕が運営していた出会い系アプリ(ポイント制)の運営開始から数ヶ月経過した、ある月の数字を公開します。実際に計算してみましょう。

  1. 売上:1,374,000円
  2. 経費:1,030,200円(以下内訳)
  • ストア手数料:412,200円
  • サーバー費:18,000円
  • 広告費:250,000円
  • 人件費:200,000円
  • 保守管理費:150,000円

利益:343,800円(①-②)

いかがでしょうか。少ないと感じましたか?それとも多いと感じましたか?

もちろん上記より利益が多い月もあれば、少ない月もありました。ちなみに、売上をARPUで割ると会員数を算出できますが、僕が運営していた出会い系アプリは業界内では小規模でした。

したがって、全てのポイント制の出会い系アプリが上記の通りというわけではなく、あくまでも一つのサンプルとして参考にしてもらえたら、と思います。

まとめ

出会い系アプリの運営 = 大儲かりしそう、というイメージを持つ方が多くいらっしゃいます。しかし現実はそれほど甘くなく、利益を確保する為の綿密な計画が必要です。

それは一般的なビジネスと同じで、いかにコストをおさえて売上を伸ばすかがポイントになります。

特にアップルやグーグルストアに対して支払うストア手数料(売上の30%)が重くのしかかる為、その他の経費を抑える必要があるのですが、広告費や人件費などを削り過ぎてしまって運営に支障をきたすようでは本末転倒です。

したがって、売上と経費のバランスの舵取りに経営センスが問われるわけですが、忘れてはならないのがユーザーに受け入れられるサービスを常に提供し続けることです。

このアプリもっと使いたい!
友達にも教えてあげたい!

そんな風に思ってもらえるアプリであれば、自然と会員が増え、事業はスケールしていくわけです。

冒頭にも書いた通り、出会い系アプリの運営には大変な損害を被ってしまうリスクがあります。出会い系アプリをこれから運営してみたい!という方は、後悔がない様に自分のアイデアとプランを入念に練って下さいね。

  • B!